ここ数年、空前のオイルブームですよね!ココナッツオイルをはじめ、亜麻仁油やエゴマ油、オリーブオイルなどなど・・・たくさんありますが、次世代オイルとして注目を浴びているのが『MCTオイル』!!
「バターコーヒー(完全無欠コーヒー)」(詳しくはこちら→『毎日0.5kg痩せる!?シリコンバレー式・バターコーヒーとは?』)でも使用され、最近では「MCTオイルダイエット」としてTVや雑誌などにも取り上げられています。
「バターコーヒー」に関しての記事にも少し書いてきましたが今回は「MCTオイル」に注目してみました。
MCTオイルとは
『MCT』とは【Medium Chain Triglyceride】=中鎖脂肪酸のことです。
中鎖脂肪酸はココナッツオイルでもお馴染かと思いますが、MCTオイルは100%中鎖脂肪酸でできています!
ココナッツオイルの中鎖脂肪酸がだいたい約60%。
100%中鎖脂肪酸なので、ココナッツオイルを超えるとして今、注目されているオイルです!
MCTオイルはココナッツオイルやパーム核油から中鎖脂肪酸のみ抽出したオイルです。商品によって100%ココナッツ由来のもの、パーム核油のもの、両方が混ざっているものなど様々です。
MCTオイル、最近出てきたように思われますが、実は歴史は長く、なんと40年以上前から存在します。MCTオイルは長い間、未熟児、腎臓病患者、てんかん患者、消化器系の手術した患者さんなどの栄養補給に医療現場で使用されてきました。
こうした活用はMCTオイルの今注目されている効果に関係があります。
MCTオイルのダイエット効果
第一にMCTオイルの中鎖脂肪酸は一般的な油であるサラダ油、ゴマ油などの長鎖脂肪酸より早くエネルギーとなり、吸収、分解が早いのが特徴です。その差は長鎖脂肪酸の約4倍~5倍とも言われています。
その為、食が細く、低栄養状態となっている高齢者の方や消化器系の手術を行ったため消化吸収がうまくできない患者さんなどにとって、中鎖脂肪酸は効率よくエネルギーになるため体作りと維持に適しています。
また中鎖脂肪酸の吸収、分解の速さはダイエットにも適しています。一般的なサラダ油などの長鎖脂肪酸は小腸で吸収されたのち、静脈やリンパ管を通り、脂肪や筋肉、肝臓に運ばれ、分解、貯蔵されます。肝臓に貯蔵された長鎖脂肪酸は、効率のよいエネルギー源であるブドウ糖(糖分)が不足して初めてエネルギーとして分解されます。
そのため現代人の小麦やお米、砂糖の多い食生活では、脂肪は蓄積されていくばかりです。
反面、中鎖脂肪酸は小腸に吸収されたのち、門脈を通り、肝臓に入り、すぐさま分解されエネルギーとして使用されるため脂肪として蓄積されにくいのです。
第二にダイエットしている方やしていた方は耳にしたことがあるかと思いますが、今注目されているのが「ケトン体」です。
ケトン体とは肝臓で作られアセト酢酸・3-ヒドロキシ酪酸(β-ヒドロキシ酪酸)・アセトンの総称であり、脂肪酸ならびにアミノ酸の不完全代謝産物です。
ケトン体はブドウ糖が不足すると脂肪から作られるエネルギー物質です。
そのため脂肪を分解しエネルギーとして消費するため、ダイエットにつながるのです。
ということはブドウ糖(炭水化物・果糖など)を減らさないとダイエットにはならない・・・ということになりますが、実はMCTオイルがあると違うのです!
通常であればブドウ糖を優先的にエネルギーとして消費されるのですが、中鎖脂肪酸があると脂肪を優先的に消費しやすくなります。
そしてなんと!中鎖脂肪酸をエネルギーとして消費した後は、ブドウ糖ではなく体内に残った脂肪を優先的に消費し、燃焼してしまうのです。
ただし、大量に糖質があるとやはりブドウ糖から消費してしまうため、よりダイエット効果を得たい方は糖質制限を行うと効果的です。
MCTオイルとアルツハイマー病
ダイエット効果にもでてきた「ケトン体」。ケトン体はアルツハイマー病の予防改善にも関係があります。通常、脳はブドウ糖をエネルギー源としています。しかしアルツハイマー病になるとブドウ糖を上手く使えません。そのため認知機能が低下し、記憶障害、失語、判断力の低下等の症状が起こります。
アルツハイマー病は「3型糖尿病」とも呼ばれ、ブドウ糖を上手く使えないところが糖尿病と良く似ています。
しかし中鎖脂肪酸を摂取しケトン体を肝臓で作り出すとブドウ糖を上手く使えないアルツハイマー病の方でもこのケトン体をエネルギー源として使うことができるため認知機能の改善につながっています。
メアリー・T・ニューポート医学博士が2001年に夫であるスティーブさんがアルツハイマー病と診断されたのをきっかけにアルツハイマー病の研究をはじめました。
薬物療法をはじめてもどんどんと症状が悪化していきましたが、ある日偶然見つけた医療用食品のプレスリリースにはアルツハイマー病の改善に効果があるとして記述があり、その主な成分は中鎖脂肪酸だったため、中鎖脂肪酸を毎日大さじ2杯摂取したところ、認知機能が目に見えるように回復していったそうです。
しかしアルツハイマー病の予防改善のためには前述のダイエットの部分と共通して糖質を抑えることが重要です。ブドウ糖があるとそちらを優先して使用してしまうため、ケトン体は作られません。
またアルツハイマー病は肥満などの生活習慣病が危険因子となるので、生活習慣の改善も必要になります。
MCTオイルとココナッツオイルの違いと使い方
MCTオイルとココナッツオイルの違いはまず第一に中鎖脂肪酸の量です。
ココナッツオイルは全体の大体60%程度が中鎖脂肪酸で、MCTオイルはココナッツオイルなどから中鎖脂肪酸のみを抽出し100%中鎖脂肪酸です。
MCTオイルはココナッツオイルより中鎖脂肪酸が多いためより吸収が早く、ケトン体を作り、エネルギーとして利用されます。またココナッツオイルよりもケトン体の血中レベルが高くなるとも言われています。そのため少ない量で効果が得られやすくなります。
しかし、その分、ケトン体レベルがすぐに上がって、すぐに下がってしまいます。
人にもよりますが、ケトン体の血中濃度のピークは摂取後約1時間半でココナッツオイルの約半分ですが、持続しづらく、3時間後にはなくなってしまいます。
その反面ココナッツオイルは血中のケトン体レベルは低いですが、ピークが摂取後3時間後、7~8時間、血中に残り徐々にレベルが下がってきます。
またMCTオイルの場合、ココナッツオイルと違って炒めものや揚げ物などには使えません。
発煙点が低く、加熱調理に使ってしまうと白煙が上がってしまいます。ですので、和え物や飲み物に入れるなどの使い方がベストです。
ココナッツオイルの場合は炒め物や揚げ物にも使用できますが、25度以下で徐々に固体になってしまうため冷たい食べ物や飲み物には不向きです。
その為、それぞれの生活習慣や取り入れやすい方法で中鎖脂肪酸を取り入れてみましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?MCTオイルはココナッツオイルを超える中鎖脂肪酸100%のためダイエットやアルツハイマー病予防や改善により効果的なオイルとして注目されています!「バターコーヒー(完全無欠コーヒー)」として、料理にかけたりなど使い方も色々です。無味無臭のためココナッツオイルの甘い香りが苦手な方にも最適です!皆さんに生活に合った方法で是非、MCTオイルを取り入れてみて下さい!
【参考文献】
「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」著:デイブ・アスプリー/訳:栗原百代(ダイヤモンド社)
「ココナッツオイルでボケずに健康」医学監修:白澤卓二/料理:ダニエル・シガ(主婦の友社)
written by A.M. from GM WORLD
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