「ダイエット」、「集中力アップ」にと注目されている【完全無欠コーヒー(バターコーヒー)】をはじめ、健康意識の高い人たちの間で選ばれている「grass-fed cow(グラスフェッドカウ)」。「グラスフェッド」とはgrass=牧草、fed=食物(えさ)を与えられた、cow=牛ですのことです。
日本でお馴染みなのは「grain-fed cow(グレインフェッドカウ)」です。トウモロコシや大豆などのgrain=穀物を与えられ飼育されています。
健康意識の高い人たちに選ばれる「グラスフェッドカウ」と一般的な「グレインフェッドカウ」の違いについてどんな違いがあるのか調べてみました!!
グラスフェッドバターvsグレインフェッドバター
グラスフェッドバターは牧草飼育されている牛からとれた乳を使ったバターです。
グレインフェッドバターは日本やアメリカなどで一般的な穀物を与えられた牛からとれた乳を使ったバターです。スーパーなどでよく扱われているのはこのバターです。
■グラスフェッドバターに多く含まれる「不飽和脂肪酸」とは?
グラスフェッドバターとグレインフェッドバターの違いは不飽和脂肪酸が多く含まれていることです。不飽和脂肪酸は青魚などに多く含まれ、消化吸収・代謝が早いため脂肪になりにくい性質を持っています。
その不飽和脂肪酸の中でも主に含まれているのがオメガ3脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は血流改善、コレステロール値の低下、免疫力向上、アレルギーの抑制、代謝の改善などが期待される必須脂肪酸です。
一方、グレインフェッドバターには動物性の油である飽和脂肪酸が多く含まれています。
飽和脂肪酸は体に吸収しやすくエネルギー源として使われる反面、体に蓄積しやすく、太りやすい油です。
■オメガ3系脂肪酸「リノレン酸」とオメガ6系脂肪酸「リノール酸」のバランスがとても良い!
グラスフェッドバターに含まれるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は2:1というバランスで現代人には非常にうれしいバランスなのです!
欧米化された食事はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸はなんと1:10~40とも言われており非常にバランスが悪い状態です。
オメガ6脂肪酸はサラダ油やマヨネーズなどに多く含まれ、ホルモンの元になったりと体に必要な栄養素ではありますが、摂取しすぎると疲労感をもたらしたり、アレルギーの症状を促進させたりします。
一方、オメガ3脂肪酸は青魚などに多く含まれ、食の欧米化で魚をあまり食べなくなった現代人は非常に不足がちな成分です。
脳を活性化させたり、血流を良くし、コレステロールや中性脂肪を減らしたりなどの効果が期待できます。
厚生労働省でもオメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:4を摂取目安バランスとして推奨しています。
グラスフェッドバターを使うことによって、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は2:1というバランスで、不足がちなオメガ3脂肪酸を補い、過剰摂取のオメガ6脂肪酸の摂取量を減らし、より理想的なバランスに近づけることができます。
また、オメガ3系脂肪酸「リノレン酸」とオメガ6系脂肪酸「リノール酸」のバランスは1:4に大変近く、非常に理想的です。
「リノレン酸」は内でEPA,DHAに変換され、血液の流れを良くし、血圧、動脈硬化、心筋梗塞を予防したり、アレルギー症状を抑えます。「リノール酸」は悪玉コレステロールを抑え、体内の酸化を防止します。
■ダイエットには「共役リノール酸」
グラスフェッドバターはグレインフェッドバターに比べ、「共役リノール酸」が多いことが分かっています。
「共役リノール酸」は不飽和脂肪酸の一種です。グラスフェッドバターのオメガ3脂肪酸にはこの「共役リノール酸」が含まれています。「共役リノール酸」はアレルギー反応を抑える、体脂肪を燃焼する、抗酸化作用によるアンチエイジング、筋肉を増強・増加するなどの効果が期待されています。
「共役リノール酸」は「ホルモン感受性リパーゼ」という酵素の脂肪燃焼効果を促進する働きがあり、主に中性脂肪を分解します。「共役リノール酸」はホルモン感受性リパーゼをサポートし、体内に脂肪が蓄積するのを防いでくれます。
■炎症を抑える「酪酸」
バターには「酪酸」が含まれています。「酪酸」は短鎖脂肪酸です。「酪酸」は他の食品にはほとんど含まれておらず、また、グラスフェッドバターにはごく一般的なグレインフェッドバターよりも多く含まれていることが分かっています。
炎症はケガや感染から身を守るのに必要不可欠なものではありますが、しかし、過剰であったり、体の内部組織に向いてしまうと重度の害をもたらします。(クローン病や潰瘍性大腸炎など)
「酪酸」は炎症抑制作用のある制御性T細胞を増やすと考えられており、大腸炎を起こしているマウスに酪酸を与えたところ、制御性T細胞が増え、大腸炎が抑制された研究結果が出ています。
■心臓や骨の健康に「ビタミンK2」
「ビタミンK」という栄養はよく知られていませんが、とても重要な栄養素です。
「ビタミンK」には植物性食品に含まれているK1(フィロキノン)と動物性食品に含まれるビタミンK2(メナキノン)があります。
グラスフェッドバターには「ビタミンK2」が含まれているのが特徴的です。
ビタミンK1は、血液を凝固させ止血する効果があります。ビタミンK2は、カルシウムが骨に沈着するために必要なたんぱく質を活性化させます。
適切にビタミンK2を摂取することによって、骨粗しょう症や心臓病を防ぐ研究結果が出ています。
ビタミンK2の心臓病への影響を調べたロッテルダムの研究では、最も摂取量が多い人が心臓病で死亡するリスクが57%低く、すべての原因による死亡リスクが26%低下していました。
また別の調査では、1日に摂取したビタミンK2が10μgごとに、心臓病リスクが女性で9%低下したことが分かっています。そしてビタミンK1では効果がなかったことも明らかになっています。
■目の回復に「ビタミンA」
一般的なグレインフェッドバターよりグラスフェッドバターは、大さじ1杯につき3%以上のビタミンAを含まれています。
ビタミンAは、歯、骨格および軟部組織だけでなく、粘液膜および皮膚の形成および維持にも重要な役割を果たします。ビタミンAは、視力の回復や眼精疲労には必要な栄養素です。また、強い抗酸化作用を持っており、免疫力を高める効果もあるので母乳育児に必要不可欠です。
グラスフェッド牛肉vsグレインフェッド牛肉
バターと同様に牧草飼育と穀物飼育の牛肉が存在します。日本で一般的な牛肉はほとんど穀物で育てられています。現在、国内で生産される牛肉の99.9%は穀物をメインに与えられ育てられています。
しかしオーストラリアやニュージーランド、ヨーロッパなどでは牧草飼育されています。
こちらもバターと同様に違いがみられました。
■カロリーが少ない
一般的なグレインフェッド牛肉よりグラスフェッド牛肉は脂肪量が少ないため、カロリーも少なめです。
■お肉を食べてダイエット?「共役リノール酸」
グラスフェッドビーフは、穀物を与えられた牛肉の約2倍の共役リノール酸を含んでいます。「共役リノール酸」はバターと同じく、脂肪燃焼効果があり、ダイエットをサポートします。
■日本人が不足しがちな「オメガ3脂肪酸」
グラスフェッド牛肉の場合でもグレインフェッド牛肉に比べ、「オメガ3脂肪酸」が多く含まれています。特に青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペンタエン酸(EPA)はグレインフェッド牛肉に比べ、約2~4倍あります。
DHAやEPAは中性脂肪や悪玉コレステロール値を下げ、血行を良くし代謝を上げてくれます。
■栄養価が高く「ビタミンとミネラル」をも含む!
●ビタミンA
ベータカロチンをはじめとするカロチノイドが含まれています。牧草にはカロチノイドが多く含まれており、調理するとビタミンAに変わります。ベータカロチンは強い抗酸化作用があり、動脈硬化を予防したり、免疫力アップ、美肌や健康維持に欠かせない栄養素です。
●ビタミンE
こちらも抗酸化作用が強く、アンチエイジングに欠かせない栄養素です。
●ミネラル
カリウム、鉄、亜鉛、リン、ナトリウムが含まれています。
鉄分はグレインフェッド牛肉の約3倍多く含まれています。
グラスフェッドカウが日本で広まらない理由
このようにグラスフェッドカウが非常に健康に良いということが分かっているのにどうして広まらないのでしょうか?日本でグラスフェッドカウを飼育するには多数の問題と課題がありました。
■土地が確保できない
日本は国土が非常に狭く、土地が確保できません。
1頭あたり1ヘクタールもの土地が必要となってきます。
■飼育に手間と時間がかかる
飼育マニュアルが確立されていない上に飼育して出荷までに非常に時間がかかります。
牛肉の場合、グラスフェッド牛肉は子牛が生まれ、出荷するまでに5年かかります。一方、グレインフェッド牛肉は約2.5年です。グレインフェッド牛肉は穀物与えることにより効率的に肉量を増やすことができます。また、グラスフェッドカウは非常に広大な牧場の整備もあり、非常に時間と手間がかかってしまいます。
■日本人の好みに合わない
グラスフェッド牛肉は赤身が多く、固いため、日本人の好みに合いません。
日本人の好みであるサシの入ったグレインフェッド牛肉が好まれるため、あまり日本では流通していません。
また、日本で流通するオーストラリアなどから輸入される牛肉は牧草で育てられたあと、出荷するまでの間、穀物を与え、日本人の好みに合わせて柔らかく、脂肪分の多い牛肉に仕上げるため、完全なグラスフェッド牛肉ではありません。
ちなみに・・・マーガリンが危険な理由
バターとマーガリンは非常に良く似ていますが、マーガリンの主な成分は植物油であり、乳化剤、着色剤などを使い、人工的に作られたものです。
マーガリンは1869年、バターの代用品としてフランスで誕生しました。
マーガリンが危険と言われている理由は「水素添加」という化学処理にあります。
植物油は酸化しやすく、劣化が早いという性質がありましたが、この「水素添加」を行うことにより、酸化したり腐ったりしない安定した、便利な油となります。
この「水素添加」を行うと不飽和脂肪酸が「トランス脂肪酸」に変化し、常温でも固体となり、酸化しにくく、保存が容易になります。
「トランス脂肪酸」はアメリカ全土で禁止されており、ヨーロッパでも厳しく規制されています。韓国・中国・台湾などでも食品表示を義務化されています。
しかし今だに日本だけが規制されていないのが現状です。
「トランス脂肪酸」は「心臓病のリスクを高める」、「悪玉コレステロールを増やす」、「糖尿病を引き起こす」、「認知機能を低下させる」などの悪影響があります。
グラスフェッドカウで健康的に!
いかがだったでしょうか?健康意識の高い人たちが「グラスフェッドカウ」を選ぶのもうなずけますね!
今、「グラスフェッドバター」は一部店舗やネットショップなどで取り扱われ、どんどん広がりをみせています。「グラスフェッド牛肉」はまだほとんど流通していませんが、今後、取り扱いが増えるかもしれません!
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